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音楽

2017年7月13日 (木)

英国式金管バンドつれづれ

英国式金管バンドは本場のヨーロッパでも,基本的にはアマチュアのための編成であり,コンテストピース的なものも多いものです。

この編成の楽曲はコンテストのための非常にテクニカルなものか,ポピュラーまたはホリデー的な選曲を主としたものが多いですね。また,録音もかなり早い段階で入手できなくなってしまうことが多いです。

そんな中でも,既存曲の編曲でもなく比較的聴きやすい曲も結構あります。

最近よく聞いているのはこちらの曲。


フィリップ・スパーク作曲「マルヴァーン組曲」です。

各楽章のタイトル以下のようになっているのですが,イギリスの地名って意外とパッと読めないものですね。

1 Worcester Cathedral
2 The Wye at Hereford
3 Gloucester Market

1楽章は「ウスター大聖堂」なのですが,これを見てウスターと読める人は少ないのでは。3楽章も「グロスター市場」ですが,なかなかそうは読めません。私はどちらも「ウォーチェスター」「グローチェスター」と「c」の部分の子音を読んでしまいました。

また,2楽章のWyeは最初翻訳で調べたら鉄道のデルタ線のことだと出てきて,緩徐楽章のイメージと違うなあと思っていたら,River Wye(ワイ川)というのがヘレフォードにあるんですね。グレートブリテン島で3番目に長い川だそうです。

お聴きの通り,超絶技巧を凝らしているわけでもありませんし,すごいポピュラー的な作りというわけでもありません。また,あくまでその地を訪れた印象を楽曲にしているので,それほど視覚的な印象は感じないのではないでしょうか。

ですが,最近はこの曲が妙に気にいってよく聴いています。

こういった少しライトな雰囲気を持っているけど,完全にポップでもない曲はもしかしたら中途半端に感じる人もいるかもしれません。ですが,こう言った曲は演奏者が思う以上にお客さんへの受けがいいんですよ。特にクラシックとか興味ない人でもいいねと言ってもらえることが多いです。

似たような感じですとゴフ・リチャーズの「ゴールデン・レディ」とかも良いです。


この曲は学内の演奏会で指揮させてもらった思い出の曲でもありますね。時間も短くそこまで難しくなく,親しみやすくてそれなりに聴き映えもすると言う素晴らしい作品です。

クラシックの曲とか,ついつい難しく考えがちですが,こういった馴染みやすい編成から入ってみるのも面白いものですよ。

私も最近の曲はそこまで調べてはいませんが,ヨーロッパ選手権の音源とかまた探してみようかなと思っています。


もちろん先日貼った,こんな感じのテクニカルな曲も大好きです。面白いですよ。

それではごきげんよう。

2017年7月 3日 (月)

NOW2017CD課題曲インプレッション

課題曲関係をもう少し聴いてみました。

スコアを見たわけではないですし,私自身はソルフェージュが非常に弱いので,和声進行などはよくわからないので,あくまで聴いただけの印象です。

なにせ現役ではないので,課題曲自体聴くのはこれが初だったりします。とりあえず,CDの順番通りに行きます。

  • 課題曲3 保科洋作曲「インテルメッツォ」

保科洋さんはもう80を越えたベテラン作曲家です。吹奏楽だけでなく様々な形で音楽を発表されています。

吹奏楽コンクール課題曲はもう4曲目だそうで,私は実は一番最初の「カンティレーナ」という曲を知りませんでした。

インテルメッツォはドイツ語で間奏曲の意味になりますが,一般的なイメージではオペラなどの幕間に演奏されるものではないでしょうか。これは独立した作品ですので,Wikipediaでは下の方に書いてある独立した器楽曲の意味でとらえるべきでしょう。

リズミックな部分があまりなく,繊細の部分とおおらかに盛り上がる部分でできています。吹奏楽のオーケストレーションがよくわかっているからこそできた作品という印象です。

吹奏楽の作品ってマーチ以外でもイケイケドンドンなイメージの方が多いと思いますが,こんな曲だってあるんですよと言える曲だと思います。

どこかでドビュッシーの作品のようだとみたような気がするのですが(2chだったかな?),なるほど言い得て妙ですね。響きの移り変わりがそれを感じさせるのかもしれません。ドビュッシーよりは堅牢なイメージですが。

ただ,吹奏楽コンクールで実際に演奏するとなると,恐ろしい曲になります。

あまりリズミックでないと言うことは,ハーモニーの濁りが見えやすいということでもありますから,楽譜を見た印象以上に実は難しい曲ですね。

それと美しいのですが演奏時間が長めなので5分を越えそうです。吹奏楽コンクールは課題曲と自由曲を合わせて12分という時間制限がありますから,自由曲に時間を多く使いたい団体からは敬遠されそうです。

スケルツォという言葉から派生した音楽用語をタイトルに持つ曲です。

タイトル通り,楽しい雰囲気の曲です。作曲家の江原大介さんは以前「躍動する魂」というモダンなスタイルの曲を作曲されていたのですが,今回はとてもわかりやすい曲になっています。わかりやすいというと簡単でつまらない曲のように取られるかもしれませんが,技術的には簡単になるように注意深く作曲されてはいるものの,小品としてとても楽しい曲となっています。オーケストレーションもかなり気をつかって書かれているのではないでしょうか。吹奏楽ってオーケストラよりも良い感じで響かせるのが難しいのだそうです。そこがうまくできている印象ですね。

中学生に人気出そうな気がします。

上記のマーチスタイルではない2曲は,音楽的に充実した部分も感じ取られる佳作ではないでしょうか。ただ,こういった作品でも課題曲ってその年度が終わると演奏されなくなっていくんですよねぇ。「スケルツァンド」なんかオープニングとして定番化しても良い曲のように思うのですが。

  • 課題曲2 木内涼作曲「マーチ・シャイニング・ロード」

吹奏楽コンクール課題曲でよく見るタイプの課題曲のスタイルを踏襲したマーチです。オーソドックスなので,人によっては面白くないという人もいるかもしれませんね。私はあくまで聴いた印象だけなのですが,すごいよくまとまった曲だなと感じました。正直,このレベルできちんと曲をまとめることができるのはすごいと思います。

最後のフレーズですがトランペット1オクターブ上にしたかったんじゃないかなぁ。課題曲では中学生でも演奏可能なようにという制限があるので,そこが作曲される方苦労するところではないでしょうか。

  • 課題曲4 西山知宏作曲「マーチ『春風の通り道』」

これまたオーソドックスな吹奏楽コンクール課題曲のスタイルで書かれたマーチです。ただ,部分部分で独自色を出そうとしたところが感じられます。そこが時には違和感になるところもありますね。個人的には第2マーチに相当する部分のつながりがすっきりしませんでした。

ただ,先ほどの「マーチ・シャイニング・ロード」よりも演奏者の人気は高そうな気がします。というのも,まとまりが良いと言うことは,上にも書いたように人によっては面白みに欠けると捉えられることもあるからです。ちょっと変わったところがある方が,中2心をくすぐるような気がするんですね。

また,テンポ設定次第ですが,今回のCDではもっとも演奏時間が短かったので,それだけで選ぶ団体もいそうなのが,ちょっと心配です。そういった団体には結構罠が待ち構えていそうな気がします。

マーチはどちらも適度に課題が与えられて,そこをクリアできているかが見えやすいような気がします。課題曲としてよくできているなと思いました。ただ,どちらもスタイルが吹奏楽コンクール課題曲のものなので,やはり年度をまたぐと演奏される頻度は減りそうな気がします。

  • 課題曲5 河合清裕作曲「メタモルフォーゼ~吹奏楽のために~」

モダンなスタイルの曲なのですが,最初聴いたときあまりそういったイメージがありませんでした。数回聴くとモダンな要素が結構多いと感じますが,それはおそらく和声が比較的わかりやすい感じだからではないかと思います。部分的な楽譜の話だけ見ると分母が16分になったり32分になったりしているそうなので,リズム的な部分での「変容」が重要視されている作品かもしれません。

拍子感もしっかりあるようで,なんだか日本の太鼓のリズムにあるようなだんだん細かくなるリズムを楽譜に落とし込んだような部分もありました。

ただ,しっかりと楽譜を読める団体であれば,実は「インテルメッツォ」や「スケルツァンド」よりも簡単に感じるかもしれないと思いました。

「インテルメッツォ」や「スケルツァンド」は良い意味で演奏者に委ねられた部分があるような気がするのですが,「メタモルフォーゼ」は逆に作曲者が楽譜に強い拘束力を持たせているように感じます。その分楽譜をきちんと読み取れれば,その力がそのまま演奏に生きてくるのではないでしょうか。

モダンなスタイルの曲にはこう言った傾向が強いのではと思っていますが,「メタモルフォーゼ」もその一つではないかと感じました。

今回のNOWのCDですと音楽的な意図を持って,しっかり課題曲が演奏されるので私のように実際に演奏するわけではない聴くものにとっては非常にありがたいです。

参考演奏は上手なのですが,あえて過剰な表現を廃しているので,聴くだけの人間にとってはちょっと物足りないのです。自分で指揮するとかなら,逆に参考演奏の方がありがたいですね。

以上,今年の課題曲の印象を述べてみました。これらの曲も練習を重ねたコンクール本番の演奏を聴くとまた印象が変わるものです。

私は吹奏楽コンクールの演奏よりも,プロの演奏を好みます。当たり前のように思うかもしれませんが,こと吹奏楽の世界ではプロよりもコンクール金賞団体を重視する傾向があるように感じます。もちろん練習を重ねた素晴らしい演奏は感動に値するのですが,コンクールの場合上でも述べた制限時間の関係もあって,カットが多かったりテンポが自分のイメージ以上に速かったりして単純に受け入れられない部分もあるのです。

そんな学生たちにこそ,このCDは聴いてもらいたいですねぇ。また,吹奏楽になじみのない方でも聴いていただきたいものです。

ぜひどうぞ。

それではごきげんよう。

2017年6月27日 (火)

NOW2017CDファーストインプレッション

昨日届いたなにわオーケストラルウィンズのCDを一通り聴いてみた印象です。

比較的聴いた機会の多い曲です。音の柔らかさが非常に合っている印象でした。

初めて聴いた曲です。ギリングハムの作品は比較的わかりやすい「With Heart and Voice」などと,シリアスでモダンな要素を含む「And Can It Be?」などの系統がありますが,この曲は前者の印象です。短い中にも面白い要素が詰め込んであり,わかりやすいこともあって非常に入りやすい曲でした。

3楽章から構成されるスパークの作品でも比較的初期の作品です。

スパークの曲の多くは英国式金管バンド編成から,ウィンドバンド編成に作曲者がトランスクリプションしたものが多いのですが,これもその一つですね。改めて聴いてみると,この時期のウィンドバンド版はブラスバンド版を聴いた後だと違和感が大きいですね。最初はウィンドバンド版を聴いたので,そこまで違和感はなかったのですが,ブラスバンド版の方に馴染んでしまいました。

演奏は整っているのですが,1楽章にやや疾走感の不足を感じてしまいました。さらに言えば演奏がうまいがゆえに,オーケストレーションの違和感が強く出てしまったような印象です。

昨日も書きましたが,非常にかっこよい曲だと思います。J.S.バッハの「音楽の捧げ物」が使われているそうなのですが,あいにく勉強不足で元ネタがわからない。また,Apple Music で探すことになりそうです。

以前,手持ちの音源で聴いたときはそれほど印象に残らなかったのですが,改めて聴くと面白いですね。

初期はシェイクスピアの戯曲でも悲劇を元にしていたのが,晩年は喜劇から作曲していることにジュゼッペ・ヴェルディとの共通点を見いだす人もいるようです。

また,リードの作品は演奏をしやすいよう多くのキューが書いてあり,相当いびつなバンドでも演奏可能なのですが,きちんとした編成で聴くと意外にすっきりと聞こえるものだなと思いました。晩年の作品はこの傾向があるかもしれません。NOWの演奏も重厚感を押し出すよりも,美しさが際立っている印象です。

昨日も書いたとおり,大変素晴らしい演奏なのですが,私にとってあまりにもEWEの演奏が耳に残りすぎています。

本当に私の思うよりも「少しだけ丸い」のです。

吹奏楽ではすでに古典の行きに入りつつある曲ですから録音も比較的多く,かつ演奏経験もあるものですから,自分の中のイメージが固まりすぎているのでしょう。

経験が増えるのも善し悪しです。

  • フィリップ・スパーク作曲「交響曲第3番『色彩交響曲』」

初めて聴きました。スパークの曲の魅力は旋律の美しさではないかと思うのですが,それが生きた曲のように感じました。そして,この曲を聴くと近年のスパークのウインドバンド編成への習熟ぶりを強く感じます。木管楽器の扱いがとてもうまいなぁと思いました。

ただ,”交響曲”という名前がついたものとして聴いた場合,構成がやや弱い印象もあります。馴染むとそうでもないのですが,最初は少し冗長な印象もありました。

私は,そこまで”交響曲”を絶対音楽の権化として扱ってはいません。それでもその呼称に少し特別なものを感じるのを避けることは難しい。近年はベートーヴェンやブラームスなどの堅牢な構成の曲を楽しめるようになったこともあり,”交響曲”に親しんでいるので”交響曲”という呼称の意味の変遷も感じてしまいました。

以前自分のブログで語りました。

古いアメリカ舞曲による組曲

まさか取り上げるとは思いませんでした。かなり良い演奏です。私のベストであるフェネル/TKWOの演奏にまでは届きませんが,かなり上位に来る演奏ですね。このCDの中ではヘビロテになりそうな曲の一つです。

こちらも演奏経験のある曲です。

これも大阪市音楽団の演奏が耳に残りすぎているようです。

そもそも録音が少ないようですが,演奏の際に参考にできる音源がこれしかなく,聴きまくった記憶があります。

この曲はテンポ設定がほんの少し自分の好みから外れていました。本当にわずかな違いなのですが,思った以上に気になってしまったようです。

ユーフォニアムは,直接的に目立つ音や旋律はないのですが,いろいろな楽器の後ろでとても気持ちよく「おいしい」部分をもらえた記憶があります。

昔は第4楽章が吹奏楽コンクールの自由曲として人気があったそうです。確かにかっこいいですねぇ。ただ,私は最初に全曲を聴き,演奏したためでしょうか,抜粋の方が違和感があるようです。そういう意味では貴重な全曲演奏ですし,初めて聴く人にとってはとても良い演奏だと思います。

吹奏楽のポップスアレンジとして非常に人気のある曲です。カーペンターズの曲をメドレーにしているのですが,単なるぶつ切りの継ぎはぎではなく,吹奏楽のオーケストレーションを存分に活かした素晴らしい編曲だと思います。

ただ,今回はアンコールの演奏を収録しているのですが,私にとってはちょっとはっちゃけすぎかなぁ。スピード感もあるしソロもうまいんですが,私の好みのイメージからは少しだけはみ出してしまったようです。

本編はここまでとなります。特典の課題曲ディスクなんですが,もうちょっと聴いてみてから課題曲自体の印象として書いてみたいところですね。

もうちょっとちゃんと書きたいところですが,曲数が多い上に調べ不足です。今回はこの辺で一段落としましょう。

それではごきげんよう。

2017年6月25日 (日)

NOW2017のCD到着

先日注文したなにわ《オーケストラル》ウィンズのCDが届きました。

届いたのが出勤直前だったので久しぶりにカーオーディオのCDプレーヤーを使いながら走りました。

今年が最後と言うことで,特典の全日本吹奏楽コンクール課題曲のディスクも会わせて3枚組となっています。

しかし,15年も続いていたんですねぇ。

昨年,金沢公演を聴くことができましたが,一回くらいは大阪のザ・シンフォニーホールに聴きに行きたかったなぁ。

今取り込みながら書いているので,まだ全部聴いていません。

通勤中に聴いたのは酒井格作曲「半音階的狂詩曲」とカレル・フサ作曲「プラハのための音楽」だけです。

酒井格さんは,実は編曲であればその音を多くの人が耳にしていたりします。選抜高校野球の入場行進曲の編曲者でもあるからですね。

この方の作品で人気があるのは「The Seventh Night of July(たなばた)」という曲なのですが,私はこの曲以上に龍谷大学の委嘱曲等の方が好きだったりします。

「風の精」や「お花たちのパーティー」などを演奏したこともあり,長調の曲のイメージが強い作曲家だったのですが,今回は短調が基本のかっこいい曲でした。

ただ,この方の作品ってパッと聴いた印象よりも演奏が大変なんですよ。流行りそうで流行らないかなぁ,すごい良い曲ですけど。

「プラハのための音楽」は私も演奏したことがあります。私が演奏したことのある作品では最もシリアスな作品です。非常に解像度が高くクリアな演奏でしたが,初めて聴いたイーストマン・ウインド・アンサンブルの印象が強すぎるためでしょうか,少しだけ「丸い」と感じました。というよりもEWEの演奏がエッジが効きすぎているのかもしれません。

やはり演奏したことのあるロバート・ジェイガーの「交響曲第1番」やフィリップ・スパークの「交響曲第3番『色彩交響曲』」など楽しみな曲が盛りだくさんです。

今年の吹奏楽コンクール課題曲も初めて聴きます。

さて取り込み終わったらゆっくり聴くことにします。

それではごきげんよう。

2017年6月18日 (日)

ラヴェル祭り

今日は通勤時のBGMとしてラヴェルのプレイリストから「ラ・ヴァルス」を聴きながら来ました。

授業時もピアノ曲集や,室内楽曲集などをうっすらと流していました。


ラヴェルは大好きな作曲家ですが,なかなかオーケストラ曲以外には手が出なかったのです。最近ちょこちょこ室内楽やピアノ曲を追加していますが,やはり面白いですね。

ラヴェルとドビュッシーはどちらも「印象派」とひとくくりにされていますが,聴けば聴くほどスタイルの違う作曲家だなと感じます。

私個人の印象は,ドビュッシーの曲が「無重力下の水の塊」,それに対してラヴェルの曲は「精緻なガラス細工」です。

どちらも透明ではありますが,ラヴェルの方が「人工的」な要素を感じるのです。そういう意味でラヴェルの作品は透明でも「水晶」のような自然的要素はあまり感じません。

ちょっと面白いのは「オーケストレーションの魔術師」などと言われるように,ラヴェル自身の管弦楽法は非常に優れていると言われています。しかし,ほとんどのオーケストラ作品は舞台のために作曲されたか,ピアノ曲からの編曲です。最初からオーケストラ曲として作曲されたのは「スペイン狂詩曲」くらいではないでしょうか。また,管絃楽で絶対音楽は「ピアノ協奏曲」「左手のためのピアノ協奏曲」くらいのように思います。交響曲も書いていませんね。

そういった経緯があるためか,私にとっては管絃楽曲からピアノ曲への橋渡しとして,とても入りやすかったように思います。

そういえば「弦楽四重奏曲」や「ピアノ三重奏曲」のように,室内楽は絶対音楽の方が多いようですね。

また,ムソルグスキーの「展覧会の絵」のオーケストラ編曲でも有名です。極論,この曲の大規模編成への編曲は,この編曲の呪縛にとらわれているといっても良いかもしれません。ピアノ版を元に1からイメージしたといっても,ラヴェルのスタイルから離れようとする意識が見え隠れしてしまうように感じます。

ラヴェルと言えば最も有名なのは「ボレロ」ですが,私は最近はこれから入るのは以外と厳しいのではと感じています。


「スペイン狂詩曲」の終曲とか,「ダフニスとクロエ」の最後の全員の踊りなどが派手ですし,短めで良いのではないでしょうか。



特にオーケストラ関係はイメージよりも派手でロマンティックかもしれません。そのあたりが吹奏楽でも好んで演奏される要因かもしれませんね。もっとも,私は最近はラヴェルの吹奏楽編曲はあまり好みではありませんが。

比較的短めの曲も多いですから,未体験の方はぜひどうぞ。

それではごきげんよう。

2017年6月16日 (金)

再発見の面白さ

昨日の帰り道に久々にグスタフ・マーラーの「交響曲第5番」を通して聴きながら帰ってきたのですが,なんだか前に聴いたときよりも音楽の輪郭がよく見えるように感じました。


マーラーの交響曲は基本的に長いうえに,構成はベートーヴェンなどのようにガチガチに固めているわけでもない印象があります。そのためか聴き方としては全体の流れを大まかに捉える聴きかたか,楽章を抜粋して瞬間的なシーンを楽しむような感じに私はなっていました。

ところが昨日は聴いていて,一つ一つの音がしっかりと大きな曲の流れの中にしっかり感じ取れるように思えたのです。

もともとこの演奏は録音,解釈ともに非常に解像度が高く,くっきりとした演奏ではありましたが,この曲に関してはようやく入り口に立てたのかもしれません。

車の中でiPadからBluetooth,FMトランスミッターを挟んだ無線による音ですから,音質的にはお世辞にも良いとは言えません。それでも繰り返し聞いているとこう言った体験があるのが,クラシックの録音の面白いところです。

先日行ったTKWOの演奏会のように,再現の難しい,その瞬間の楽しみはクラシック音楽の醍醐味ではあります。ですが,こういった録音による繰り返しの鑑賞に耐えうるのも,また面白いものです。

そして,その繰り返しの中に新しい発見が見えるのが,面白い。

ライブの演奏会は一つとして同じものはありませんし,どれだけ録音技術が発展してもリアルタイムの空間の体験は再現できないのではと思います。

ですが,録音や映像は私たちにリアルタイムだけではできない様々な体験を与えてくれます。今では当たり前になってしまいましたが,この恩恵は改めて大きいものだなと感じました。

さすがにマーラーはきついですが,こっそりといろいろクラシックを流しておきたいなぁと改めて思いました。これからも続けよう。

それではごきげんよう。

2017年6月12日 (月)

東京佼成ウインドオーケストラ金沢公演

自宅のパソコンの調子が悪く,12時越えてしまいました。

今日は直前に急遽チケットを取ることができたので,無理を言ってお休みをいただき東京佼成ウインドオーケストラの金沢公演に行ってきました。

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指揮はトーマス・ザンデルリング。すでに2回ほど定期公演に出演しているのですが,ここ近年のTKWOは吹奏楽とは縁遠かった指揮者をよく招いている印象があります。

ザンデルリングはドイツ人ですがソ連で育ち,ソ連で学んだと言うことでロシアものを得意としているようです。

1曲目はイーゴリ・ストラヴィンスキー作曲「管楽器のシンフォニーズ


ストラヴィンスキーは非常に好きな作曲家ですが,この曲は少々とっつきにくい印象があるかもしれませんね。

基本的に三管編成のオーケストラから弦楽器を取り除いた編成で書かれていて,コラールとリズミックな部分が入れ替わり立ち替わりします。毎度のごとく拍子は複雑で,和声も不思議な音がします。

今回の演奏は,非常に整っていたのですが,ちょっと睡魔が襲ってきて5~6分くらいのところが記憶にありません。

取れた席が前から5列目と前の方だったので,ストラヴィンスキーの不可思議な音の世界に浸ってしまったようです。

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2曲目はアルフレッド・リード作曲「『ハムレット』への音楽」


私はシェイクスピアの戯曲をきちんと読んだことがありません。基本的にあらすじだけしか知らないのですが,いくつかの作品の中でも「ハムレット」は特に登場人物の死亡率が高いような気がします。

リードの作品はいくつかの場面を選んで描いていますが,映像的というわけでもありません。吹奏楽のために書かれた作品ですので,よく鳴ります。吹奏楽って音のでかい編成なんだなと改めて感じますね。それともリードの作品だからでしょうか。

ザンデルリングはこう言った作品に対しても,「吹奏楽だから」と軽く扱わず真摯にアプローチしているように感じました。

休憩を挟んで3曲目はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲,大橋晃一編曲「『白鳥の湖』より抜粋」

選曲は「序奏」,第1幕より「情景」「ワルツ」,第2幕より「情景」「4羽の白鳥の踊り」,第3幕より「ナポリの踊り」「ハンガリーの踊り(チャルダーシュ)」「情景」「スペインの踊り」,第4幕より「小さな白鳥たちの踊り」「情景」「終曲」となっていました。

チャイコフスキーの作品は,個人的には吹奏楽へのトランスクリプションは厳しいものがあると思っていたのですが,編曲の良さとTKWOの力で見事に昇華されていました。また,ザンデルリングの解釈もオーソドックスではあるものの芯が通っており,結果として非常に整った美しい演奏になったように思います。

パンフレットには約40分と書いてあり,長さに少し心配になったのですが,全く飽きることなく最後まで楽しみました。

前半に比べて,曲がわかりやすいこともあったのでしょう。最後は万雷の拍手でした。

アンコールはやはりチャイコフスキーの「劇付随音楽『雪娘』より『道化師の踊り』」でした。


これがまた音のでかい演奏で,響きの豊かな県立音楽堂では,オーバーブロー寸前でした。しかし,観客への受けはとても良かったようです。とんでもないテクニカルな曲なのですが,リズムも和声も破綻せず,かつギリギリの一線を越えずにクールさを残す演奏はTKWOの演奏力の高さを最後まで見せつけてくれました。

吹奏楽部の生徒さんも来ていたようですが,意外に県立音楽堂の定期会員のような方も多く,これでプロフェッショナルの吹奏楽の魅力が広がってくれたらと期待してしまいますね。

吹奏楽部の生徒さんは,わりとコンクールのことしか考えていないので,プロの演奏ですらミスのあるなし「だけ」で語りがちです。また,コンクールに関係のない演奏会にはあまり足を運びません。本当はこう言った演奏会にこそ足を運んでほしいものなのですが・・・

さらに言えばプロよりもコンクールの上位校の方を評価したりする生徒さんもいますね。しかし,半年かけて練習した12分の演奏と,そろっての練習は事前に二日くらい,あとは当日のリハーサルで仕上げてしまう約2時間のプロの演奏を同列で評価すること自体がおかしいのではと思います。

あ,なんとなくこれで思いついたことが出てきました。覚えていたらまた整理してブログネタにしますかね。

それではごきげんよう。

2017年5月19日 (金)

久々に金管バンド

昨日から今日にかけて,なぜか久々に英国式金管バンドをよく聴いています。

今回のきっかけはこちらの曲。

エクストリーム・メイクオーヴァー」というオランダの作曲家ヨハン・デ=メイの作品です。

吹奏楽版はこちら。


チャイコフスキーの「弦楽四重奏曲第1番」の第2楽章冒頭の旋律を主題として,まさに「大改造」をした曲です。

個人的には「魔改造」と言った方がしっくりきます。

他にも交響曲第4番や第6番,劇的序曲「ロメオとジュリエット」などが組み込まれ最後には「1812年」の旋律も食い込んできます。

面白いのは,中間部でガラス瓶に水を入れて調律したものを吹くところがあるのですが,そこに絡んでくるマリンバのソロはまるで東南アジアのガムランのようです。

一番恐ろしいのは,この曲「課題曲」なんですね。

ヨーロッパ・ブラスバンド選手権大会の選手権部門ということは,最上位クラスだったかと思います。動画を見るとわかるのですが,どのバンドもそれにふさわしいすごい演奏をしています。

この年のチャンピオンは確かブラック・ダイク・バンドだったかと思うのですが,私の持っているセッション版でもすさまじい演奏ですね。

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残念ながら現在は入手困難なようです。

私の専門であったユーフォニアムはこの編成ではある種花形の楽器です。協奏曲や独奏曲もこの編成を伴奏にしたものがかなりたくさんありますね。

コンテストを主体としているため,基本テクニックを見せる楽曲が多いのですが,ある意味編成がオーケストラから離れる分,一般的な吹奏楽よりもいっちゃった曲が時々出てきますね。そうかと思うと楽曲の流れだけは,オーケストラ曲そのままに,この編成にぎゅっと押し込んだトランスクリプションもあり,結構楽しめます。

音域が狭い分,非常に密集した和音で同族の楽器による音が一気に鳴るので,すごい厚みを感じますよ。

なぜか日本では,小学生がこの編成でよくやっているので,子どものための編成だと思われがちです。ところが,その小学生の中でも,大人よりすごいんじゃないかという演奏を見せてくれるものもあります。これとかすごいです。ある意味おかしい。


審査員が全員満点をつけたというのも納得です。カットこそ入っていますが,この曲大人でも演奏したら死にそうになる曲ですから。

この編成のための曲は,このような大規模のものは無理ですが,中には最少人数4人とか,10人くらいで演奏可能なものもあります。どうせ50人編成とか組めないのであれば,国内で少人数部門にこの編成で参加して,数年に一度海外のコンテストに参加とかしても良いかもしれません。というかどこかやらないかなぁ。面白いと思うんですが。

ただ,AppleMusicやAmazonPrimeにはこの編成の録音,意外と少ないです。クリスマスアルバムや映画音楽などのポピュラー系が多いですね。またCDあさってみますか。

それではごきげんよう。

2017年5月16日 (火)

イギリス系の音楽

またもや更新中に12時越えてしまいました。

エドワード・エルガーの「エニグマ変奏曲」を聴きながらいろいろ作業をしていたのですが,毎度のことですが集中すると時間がすっ飛んでいきますね。


エルガーと言えば,この「エニグマ変奏曲」と並んで「行進曲『威風堂々』」の第1番が有名です。WikipediaにもありますがBBCプロムスでアンコールに演奏される曲の一つですね。


私は傾向として東ヨーロッパ,フランス,ロシアの作曲家を好んでいます。一般的なクラシックの聴衆が好むドイツ・オーストリア系は良さがわかるまでずいぶん時間がかかりました。

ただ,イギリス系の音楽は,吹奏楽の関係はよく聴いていたのですが,オーケストラや室内楽はあまり聴いていませんでした。

例えばグスターヴ・ホルストの「吹奏楽のための組曲第1番」は自分でも演奏したことがありますし,楽譜もコリン・マシューズの固定したブージー&ホークスの版を個人で持っています。しかし,ホルストのオーケストラ曲といえば「組曲『惑星』」以外はほとんど知らず,あまり開拓もしてきませんでした。一応「木星」だけは演奏経験があるのですが。


最近はこのエルガーや先日書いたベンジャミン・ブリテンの他にウィリアム・ウォルトンマルコム・アーノルドなどの作品をちょこちょこと追加しています。

ただ,どうもイギリスのクラシック音楽というのはモーツァルトやベートーヴェンが活躍したのと同じ時代に著名な作曲家があまりいないような気がします。20世紀になってからの方が多いような気がしますね。

一説には,ヘンデルやハイドンの作品のように外国から輸入されることが多く,音楽消費のわりには内部で作曲家が育たなかったとも言われています。

他にも「産業革命で工業化を優先したので文化は後回しだった」とか「クロムウェルのピューリタン革命のときに芸術が禁止されたから」とか,いろいろ説があるようです。

個人的印象ですが,19世紀から20世紀にかけての作曲家が知名度が高いわりには,あまり前衛的な手法が感じられないのが特徴かなと思っています。保守的な感じとも言えますが,その分聴きやすいものが多いのではないでしょうか。もっとも地味と感じることもありますね。

「惑星」などがド派手なためにホルストはそういった作風の作曲家だと思われがちですが,実際には「吹奏楽のための組曲」のほうが本来の作風に近いかもしれません。

詳しくはないのですが,パンクロックはイギリスが発祥と聞いたことがります。クラシックの保守的な印象とは裏腹にポピュラー系は先進的だったのかもしれませんね。

イギリスのクラシックに親しむのであれば,「エニグマ変奏曲」と「威風堂々」は良い入り口ではないでしょうか。お時間があればぜひ聴いてみてください。

それではごきげんよう。

2017年5月 9日 (火)

有名な指揮者の録音

ヘルベルト・フォン・カラヤンレナード・バーンスタインは録音の技術がめざましく発達した時期に活躍した指揮者です。特にこの二人は知名度が高かったように思います。

その二人がドイツ・グラモフォンに残した録音から,ベスト盤的なものがAppleMusicに上がっていました。


この二つを見て自分でも意外だったのが,カラヤンはいくつか持っているのですが,バーンスタインに関してはウィーンフィルハーモニー管弦楽団との録音は全く持っていなかったことです。

バーンスタインは自作自演やアメリカの作品を多く集めていたためでしょうか。ニューヨーク・フィルハーモニックなどのアメリカのオーケストラやイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の録音が多かったのです。

自作自演やコープランド等の同時代の作品も良い演奏ですが,個人的によく聞いていたのはイスラエル・フィルとのヒンデミットの録音です。「交響曲『画家マティス』」(Mathis der Maler)「弦楽と金管のための協奏音楽」(Konzertmusik für Streichorchester und Blechbläser)「ウェーバーの主題による交響的変容」(Symphonische Metamorphose von Themen Carl Maria von Webers)が入っています。


単独の録音はなかったので,この全集の一部からどうぞ。

実際には必ずしもそうではないのですが,指揮者とオーケストラは対のように知名度が固まっていることがあります。

カラヤンとベルリン・フィルなどは録音の多さから完全にセットのようなイメージですね。私個人の印象では、リヒャルト・シュトラウスとチャイコフスキーの作品の演奏が好みの感じです。


チャイコフスキーの交響曲は相性の悪い私でもかなり楽しんで聴ける演奏です。リヒャルト・シュトラウスも以前別の指揮者で聴いたときに,ピンとこなかったのがかなり印象が変わったものです。

バーンスタインは晩年はウィーン・フィルとの録音が多かったようなのですが,私のイメージはどうもニューヨーク・フィルハーモニックとのコンビの方が印象深いようです。このコンビの演奏,今聴くとちょっと大雑把な感じもあるんですよね。このコープランドの演奏とか結構好きです。マーラーは一般的に評価が高いのですが,私にとっては違うアプローチの方が好みのようです。

ただ,どちらの指揮者も解釈自体はわりと外連味あふれるというか,楽譜通りではない部分も多いように感じます。もっと言えば落ち着きよりも絢爛な感じを指向しているようにも思えます。それが一般聴衆を引きつけたのではないでしょうか。その分批評家の評価は大きく分かれていたように思います。昔のレコード芸術の批評などでは,この二人には強烈なアンチがいたような気がするのです。

どちらも亡くなってある程度時間がたったことで,リアルタイムのときよりも落ち着いた評価が出てきているのではないでしょうか。

体験したことのない方は,ちょっと体験してみませんか。

それではごきげんよう。

より以前の記事一覧